71Cミッションにはザックリと分けてスカイライン用とシルビア用がありますがL型に流用されるのはスカイライン用が一般的ですね。
スカイライン用はミッションメンバーの加工又は変更で載りますが、シルビア用はプロペラシャフトまで加工するか作る必要があります。 もちろんカマの変更、加工はどちらも必要で室内側のセンターコンソールやボディー側まで加工が必要な車種もあります。
今回の71Cはスカイライン用で3速に入らない、5速から4速にシフトダウンする時にギア鳴りするという内容でした。
エンジンが降りているので少しは作業が楽です。
オイル漏れてますね。。オイルシールが寿命のようです。
個人売買等や解体屋でミッションを買ってきてそのまま載せる方も多いかと思いますが前後のオイルシールくらいは交換しておく事をお薦めします。
固定して
分解してみると
こんなんでました・・・(-_-;)
カウンターシャフトのセンターベアリングですが、あと1個ボールが飛び出していたらカウンターシャフトが大暴れしてフルブローでしたね。
今回初めてご依頼いただいたお車ですが、当店でオイルを抜いた際にはボールは出てこなかったのでずいぶん前からこの状態だったってことですよね。今までのショップさんは抜いたオイルを確認しなかったのでしょう。
再使用不可の部品や消耗品を交換して組んでいきます。お決まりのリバースアイドラギアも交換します。スカイライン系の71Cはシンクロ無し、シルビア系はシンクロ無しと有りが存在します。
シンクロは有っても無くてもどちらが良いとは言い切れません。 普段から優しい操作を心がけるのが1番です。 バックに入れる前に車が止まった状態で1度4速や5速に入れて半クラにすることでミッション内部の回転を落ち着かせてからバックに入れるようにすると長持ちします。
メイン側のバックギアも新品。
いきなり完成。
ミッションは手がベトベトになりながらの作業なのでなかなか写真が撮れませんm(__)m
後はケースに組んで
リアのケースも組んで
フロントカバーを組む際にはメンドラのスプラインでオイルシールを傷つけないようにテープで保護しています。やらなくても大丈夫なのは承知していますが、こういった小さな気遣いが長持ちの秘訣だと思っています。万が一に備えるのが大事です。
本当に完成。
71CをL型に載せる方法は色々あり、「71Bのケースに71Cの中身を組み込めませんか?」との問い合わせがたまにあります。シフトの位置が変わってしまったりミッションメンバーを加工したりアフターパーツに交換したりすることを嫌がって71Bのケースに71Cを組む方法も約20年前に私も含め色々な方々がやってみましたが、しっかりとパワーの出ているチューニングエンジンと組み合わせると長持ちしないパターンが多いです。
71Bと71Cのリアケースを見比べてみれば一目瞭然ですがリブの入り方や数がぜんぜん違います。ケースの強度がまったく違いますので当然中身の寿命が変わってきますよね。一番多いのはメインシャフト折れです。L型はライトチューンでもまともに組んでいるエンジンではベースとなるR32のタイプMやS13〜15シルビアのターボの純正馬力を軽く上回る訳ですから当たり前ですよね。
71Cもベースが少なくなってきているのと同時に日産の純正部品価格もどんどん上がってきていますので問題を抱えている方は早めのオーバーホールをお薦めします。部品によってはバックオーダー状態で入荷未定の部品もあり、バックオーダーが打ち切られて製廃になった瞬間に新品部品での修理は出来なくなります。トヨタのミッション等はいい例で4AG搭載の86ミッションでさえシンクロがらみの部品は製廃で出ません。
しかたないので中古のミッションを丸ごと買ってニコイチ、サンコイチにして組んだりします。
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